九月九日


3時起床、室生犀星より2編録音、ひまなので散歩、大久保通りを進み牛込柳町を折れて夏目坂に入り、早稲田の手前で引き返し、肉まんを買い、6時帰宅、宮沢賢治を読めなかった人のうち何人かが室生犀星を読むんだよ、風呂をためて、つかって、でて、部屋の中はひどい有様だが、週末に人がくるからって、どうせそのとき掃除するから、二階堂奥歯より1編録音、メールがきたりして、寝転んで、金魚を飼おうかと調べる、金魚鉢はあまり金魚によくない、それでも金魚鉢がよい、楽天でみていた金魚鉢はどれもこれも思いのほかちいさく、眠って、布団を噛んでいたから、涎がすごくでている、金魚鉢は金魚を飼うための箱ではないのです、金魚を眺めるための容器なんだよ、金魚の中には水流を好む金魚がいて、そいつらは特に金魚鉢なんかに入れてはだめ、まったりした金魚がいるから、そいつをときどきうつして浮かばせておやり、かつて庭池には様々な金魚たちがいたが、冬がくると池はこおり、しぬ、春にはまた誰かが金魚をかいあたえ、毎日々々餌を落とす役割のわたしだけがすすむ、それでも幾匹かは越冬し、なぜなら氷は池の表面にはり、その下はたぶん刺すように冷たい水だったので、金魚はこおればしぬ、が、動くものに氷ははらない、自分が大喰らいだったもので、いつも袋に書かれているよりたくさん餌を投げた、肥料のように、鳥糞のように散る、雨滴のように沈む、かなしい、金魚は食いだめはできないんだよ、胃がないから、腸はあるけどね、冬はほんの少しだけ動くんだよ、こおらないように、食べなくていいように、ときどき共食いを、しないという人もいるが、する、たくさんいると数が減る、大きい金魚が小さい金魚を食べるか、一部を齧りとるか、病気でしんだものが少しずつついばまれ、ざんこくだ、ざんこくだろうか、金魚に興味がなかった、しんださんごがぽつんと庭池の端におり、そちらに興味があった、持ちあげたり落としたりしていた、さんごにはこけがある、何日も何日も餌をやらないときには、金魚たちはそのこけをたべて生きる、休日には、池の水を抜き、デッキブラシでぬめりをこすっている、さんごさえもこすられている、さんごは、岩だとおもっていた、金魚は、金魚鉢ではなく、バケツにうつしかえられて、また庭池にもどった